ARG謎解きゲームな忘年会2011に参加して、そこでとったメモを元にレポート。
一部、私の主観による加筆訂正取捨選択があります。
2011年のARG動向
SCRAP やRUSH JAPANのARG型謎解きイベントがメディアに取り上げられるようになり、個人やサークルレベルが運営するARGが増加した一方で、TOYOTA Vitzや、映画「パイレーツオブカリビアン」など大手企業がプロモーションとして活用することも増加した。
また昨年末より日テレが放送していた『脱出ゲームDERO』も、謎解きゲームの認知度上昇に貢献した(ただし、いろいろあって現在はクイズ系の『TORE』に変更せざるを得なくなった)。
一部のマニアユーザーだけがプレイする形から、「オシャレな遊び」という評価が広がり始めている(風俗店ですら、客寄せのイベントに脱出ゲームを採用している)。
・ARGの市場を広げるために
欧 米においては、最初は数名のコアなプレイヤーが参加し、後半に進むに従いライトユーザーも参加していくパターンが通常。しかし現状、日本においては一般に 普及させるためには初動が全てな感じがある。そのため、初動確保のために話題性のある「賞金」を打ち出すタイプが増加した。
運営の途中に参加者を増やすための対策として、現在のソーシャルゲームの理論を流用するのが良いのでは無いかと考える。
今後は知名度を上げるため、人気コンテンツとのタイアップも増えていくと思われる。しかしタイアップにおいては、ARGはあくまでメインのコンテンツがあってこそ成り立つもので、コンテンツのレベルは上がらない。
レベルを上げるためにはオリジナルコンテンツで勝負が必要だが、ライトユーザーにまでプレイしやすいストーリーや謎を提供するのは難しい。
スパイ手帳や証拠品、実物の宝箱など、ガジェットを活用すると、ライトユーザーでもスムーズにストーリーに没入しやすいのではないか。
・2012年からのARG動向
大手クライアントによるプロモーションとしてマスをターゲットとしたARGと、謎解きマニアなどのコア層をターゲットにしたARGに2分されていくだろう。
また「ARG」という言葉自体はあまり普及せず、ARG要素のあるゲームやプロモーションが増えていく。
「謎解き」を主体としたARGは既に頭打ちとなっており、特にビジネスの面においては他者とどのような差別化を図るかが重要だろう。
また、「作品」として成立するオリジナルのARG登場に期待したい。実際、いくつかの企画において映画などに最初からARG要素を組み込み、全体を通じて一つの作品となることを目標としたものは存在している。
日本において「ゲーミフィケーション」という言葉が広がり始めている。商品や社会教育、エコロジーなど様々なジャンルでゲーム要素が使われるようになることで、その一つの展開例としてARGは大きな役割を得られると考える。