始めに
●共通情報
●パーク近郊に住んでいる独身/カップル
●近郊に住んでいるファミリー
●遠方から来園するカップル
●遠方から来園するファミリー
●修学旅行、研修旅行、ツアーなどで日程が決まっている場合
○おまけ
中堅パーク・大規模遊園地編
小規模遊園地編
一般フードパーク編
●イートイン型
●テイクアウト型
●併用型
ナンジャタウン編
●アトラクションをメインにする
●フードパークをメインにする
●フードパーク(おみやげ)を買いこみたい
あとがき
[前置き]
最近、「行ったら後悔する」という人気スポットを集めた書籍が発売されている。参考までに手にとってパラパラと読んでみたが、その内容の酷さには閉口した。
表紙や帯の文言を読むと「『情報誌』を鵜呑みにしてはいけない」という至極真面目なことを言っているのだが、さて内容はと言うと…。
筆者自信が「情報誌を鵜呑みにして遊びにいったら、こんな酷い目にあった」ということしか書いていない。それだけならまだしも「だから、この施設は最悪だ」と結論づけている。
何か間違っていないか?
情報誌を鵜呑みにすることの危険性を示唆すると言うのであれば、酷い目にあわないためには情報誌以外のどんな方法で情報を集め、失敗しないように努力するべきかを記載するべきである。
もちろん、内容の全てを否定することはしない。中には(ほんの少しだが)納得できるものも含まれている。けれど、書籍全体がこのような幼稚な意見で埋め尽くされているのでは、折角の良い意見も埋もれてしまう。
私自身は、この書籍に書かれている内容のうち、私が良く知っているアミューズメントパークに関する内容しか判断できないが、この内容では他の「行列のできる飲食店」などについても同様なのだろう。
そこで、今回、「『情報誌』を鵜呑みにしてはいけない」という主旨は変えずに、「後悔しないアミューズメントパークの遊び方」を書いて行きたいと思う。
なお、この情報は2004年春の時点で、筆者自身がそれまでに遊びまわったアミューズメントパークを元に構成した。そのため、実際にこの文章の読者が実践したときに、皆さんと私の感性の違いや、施設の改装などで、本文の私の感想と異なる結果となる可能性が否定できない。
あまり大きく外れる事は無いと思うが、念の為、ご了承戴きたい。
[大型パーク編]
日本一のテーマパーク・リゾートといえば、東京ディズニーリゾートであることは間違い無い。東京ディズニーランド、東京ディズニーシーの2つのテーマ パークと、イクスピアリなどの飲食物販施設、2つの直営ホテルをはじめとするホテル群を合わせてリゾートを構成しているのは誰もが知っていることだ。
そして、それに次ぐ大型パークといえば、大阪のユニバーサルスタジオジャパンだろう。東のTDR、西のUSJと呼ばれるだけに、その規模は他のパークを 凌駕する。また、九州のハウステンボスも昨今経営危機が取り沙汰されているとはいえ、規模や知名度は大型パークの部類に入るパークだ。
これらの大型パークは、情報誌も多種多様なものが用意されている。しかもその発行ペースは頻繁で、日本のどこの書店に行っても大抵は店頭にならべてある。一番最新情報を入手しやすいパークでもあるだろう。そして、混雑の凄さも…。
さて、これらの大型パークを後悔しないで楽しむにはどうしたらよいか。
そもそも貴方がどう言う立場で、ここを訪れるのかによってその方法が異なる。それぞれのシチュエーションにあわせて解説していきたい(主にTDRを中心に解説しているのが、USJ、HTBでもほぼ適用できるはず)。
●共通情報
まず、どのようなシチュエーションであっても共通に必要な準備である。
それは、「情報誌の入手」から始まる。「情報誌を鵜呑みにしない為なのに矛盾しているのではないか」と思う方もいるだろうが、鵜呑みにさえしなければ情報誌というものはやはり有効なものである。
ただし、ここで入手する情報誌については注意が必要である。ただ本屋に並んでいるものを買えば良いというわけではない。
お奨めするのは次の3種類である。言うまでも無いが、全て最新号を入手すること。
1.公式ガイドブック
2.有力情報誌(東京ウォーカーなど)の特集
3.いわゆる「裏マニュアル」系情報誌
このうち、2は必須ではないが、1と3は必須だ。
1についてはTDRで言えば、公式ガイドブックはオフィシャルスポンサーの講談社が発売しているものになる。USJなら角川書店だ。ここに書かれている ことは全て(時期のズレや誤植などを除けば)、各パークの正式な情報である。また、オフィシャルスポンサーにだけ先行して公表される情報もあるので、その
情報を入手するし、全体の大枠を知るには非常に便利だ。後に解説する各問い合わせ電話番号、困った時のインフォメーションなども記載されている。
有力情報誌の特集は、基本的に「今、またはまもなく実施するイベント」や「期間限定のアイテム、食事」などの情報が中心となっているので、各パークの最新情報を入手するのに便利だ。TDRやUSJならシーズンごとに必ずどこかの雑誌が特集を組んでいるだろう。
そして、最後の「裏マニュアル」。小さな書店では扱っていないかもしれないが、「裏マニュアル」または「裏技」などという名称で、大手書店の旅行コー ナーならきっとあるはずだ。体裁は文字中心で新書サイズのものが中心。その書籍内にパークの写真やキャラクターイラストが全く無ければほぼ間違い無くそれ は「裏マニュアル」だ。
なぜ、裏マニュアルが必要なのか。公式ガイドブックは公式ゆえに正確な情報を入手する事ができるが、しかし逆に「公式には発表していない」情報について 記載されることは決して無い。それを補完するのが裏マニュアルである。マニアしかしらない裏情報(例えばTDLのマークトゥエイン号で操舵室に入り、証明 書を貰う方法)や、より効率良くアトラクションを回る方法などが記載されている。
ただし、注意が必要なのは、この手の本の情報は古いことがあることや、混雑時には実施しないサービスもあることだ。また、稀に非合法なことが書いてある こともあるが、それは知識として知るだけにとどめ、実行してはならない。また非合法ではなくても、現地で「ダメ」と言われたら素直に引き下がる必要もあ る。
以上、3冊の情報誌を準備して事前に予習をしておくこと。それが後悔しないために重要なことである。
また、誰でも容易に想像できると思うが、混雑するのは概ね次の順である。以後のそれぞれの項目で、「混雑時」とある場合は、これを参考にして欲しい。
シーズン:夏休み >> GW > 春休み > 夏前後 > 春 > 冬休み > 秋 > 冬
週間: 土曜 > 日曜・祝日 > 祝前日 = 金曜 > 平日
ただし、これは標準的なもの。例えば開園日やクリスマス・バレンタインなどのイベント日など特別な日は、この順序に関らず混雑する。その情報については、先にあげた情報誌で確認できる。
●パーク近郊に住んでいる独身/カップル
このシチュエーションに該当する人は、計画にゆとりを持たせることが後悔せずに楽しむ一番の方法だ。「1日で見て回ろう」などと欲張った考えは持たない 事だ。後述する遠方からの来園者は交通費にウン万円かけているのだから、それを節約した分、行く回数を増やすことは簡単だろう。
このシチュエーションの人々に、お奨めしたいのは「目的別の日程調整」である。何度も来れるのだから、日程を先に決めるのではなく、目的を決めてから来園の日程を考えるのである。
1.とにかくアトラクションを回りたい → 閑散期を狙うのが必須
初めて来園する場合、ほとんどの人はこのタイプであろう。実際、毎朝の開園時間ともなるとゲートをくぐってから一目散に目的のアトラクションへとダッシュする人がほとんどだ。
そして混雑時の待ち時間は土日や祝祭日ともなれば2時間待ち、3時間待ちも当たり前。下手をすれば3時間を超えることもある。
よくマスコミの取材などで、アトラクションに並ぶために開園の数時間前からゲートに並んでいる人が紹介されるので、アトラクション目当ての人はそれが当然のように思われているが、果たしてこれは最適な方法なのだろうか?
もちろんパークによっては一部のアトラクションに優先予約(TDRのファストパス)制度を併用すれば、午前中の内に他の人より2〜3回多く乗る事はできるだろう。けれど、午後になってからはやはり大混雑の中、行列に並ばなければならない。
ではどうしたら良いか。じつは至極簡単である。
「混んでいる時に行かない」
これだけである。そんなあたりまえのことを…と思うかもしれないが、それをしない人が余りにも多い。
混んでいる時に乗るアトラクションも、空いている時に乗るアトラクションも、乗ってしまえば、そのスリル・楽しさは同じなのだから、わざわざ混んでいる 時に乗るのは馬鹿げた話だ。休暇が取れないからと休日に入園し園内滞在中の大部分を並んで過ごした結果、疲労が貯まって結局平日に休みを取らざるを得なく なったのでは、元も子もない。
例えば平日に休みを取って来園すれば、1日で全部のアトラクションに乗ることは簡単だ。また、もし休みが取れないのであれば、同じ日曜日でも冬に行けば、楽に回ることが出来るだろう(ただし、冬は開園時間が短いことがあるので要注意だ)。
また、TDRの場合だが、会社がパークからそれほど離れていないビジネスマンであれば、平日の夜に行くのもお奨めだ。アフター6パスポートの適用日なら入園費用も安く押さえることが出来る。ただし、平日でも金曜日・祝前日は意外に混雑していることが多いので要注意。
2.ショーステージ・パレードを見たい → 閑散期がベターだが、スケジュールに要注意
これらもアトラクションに次ぐ人気であるため、日程には充分な考慮が必要だ。ただ、1回のステージで大人数を動員できるため、「観れれば良いや」という 程度なら大混雑期さえ避ければ問題無く観ることができるだろう。ただ、「最前列で見たい」というような場合には、やはり閑散期を狙った方が良い。
ただしショー・パレードの開催回数は決まっているため、待ち時間も含めたスケジューリングを行なわないと開演の時間に間に合わないことがある。特に、閑 散期はそれだけショー・パレードの回数が減るので注意が必要だ。また、空いているからと言って平日のナイトパスポートで入園すると、その時間では既に終 わっているショーも多い。
各パークのオフィシャルサイトには当日のショースケジュールが記載されているので、事前にチェックしておくことが必要だろう。
3.のんびり園内を巡りたい → コツさえつかめば混雑時でも
もちろん、閑散期にのんびり巡るのがお奨めだが、アトラクションやイベントを重視せず、のんびり園内を散歩したいというのなら、混雑時でも充分楽しめる。
入場制限がかかるような大混雑時を除けば、パーク内で身動きが取れないほどの混雑に巻き込まれることはまず無い。あるとすれば、それはイベント開催場所の近辺や物販店舗内くらいだろう。
混雑で殺気立った人々を横目に、パークの街並みをただのんびり優雅に散歩するのはある意味かなりの贅沢と言えるだろう。混雑時でもあまり人が通らないポイントも結構あるが、大型パーク(特にTDR)の場合はそう行った場所にも徹底的な装飾を施しているのでお奨めだ。
パーク内の看板巡りなんて言うのもなかなか面白いものが有る。
また、のんびりついでに食事ものんびりしたい…というのであれば、ちょっとだけ事前準備が必要になる。準備をせずにレストランに並ぼうとすると、とたん に大混雑にまきこまれ食事をするのに1時間、2時間待ちといった状況に陥ってしまう。それでは、せっかくののんびり気分も台無し。
公式情報を調べると、TDRレストランの一部には「プライオリティシーティング」というものがある。予め予約をしておくことが出来るのだ。
この「プライオリティシーティング」は、お店によっては前日までに電話で予約ができる。大混雑日は当日の予約が困難なこともあるので、あらかじめ電話予約しておくのが良いだろう。
4.キャラクターと写真が撮りたい → ある程度混雑するときを狙う
これまで上げた3つのパターンと異なり、キャラクターグリーティングが目的ならば、ある程度混雑している時に行く必要がある。
なぜなら、キャラクター達が何時、どこに出現するかは、開園・閉園時、ショー前後などを除けば、一切明かにされていない。もちろん、内部的には綿密なスケジュールに基づいて登場しているはずだが、来園者にはそれは公表されることはない。
と、なるともはや『偶然』に頼るしかないと思える。しかし、ちょっと考えてみて欲しい。そもそもキャラクターグリーティングは何のために行なっているのか。
まさか、ガラガラのパークでキャラクターがお散歩しているだけ…なんてことは無いはずだ。
アトラクションやショーが混雑している時に、その混雑を緩和させるために、あるいは待ち行列の人たちを楽しませるためにグリーティングを行なうのが、一番パークにとっても来園者にとってもメリットがあるはずだ。
故に、パークが混んでいる時ほどキャラクターがパークに出没している可能性が高いと言える。
ただし、キャラクターの人数には限りがあるし、どのパークもは同一キャラが同じ時間に重複して出演することはないので、大混雑といえるレベルだと今度は写真を撮る行列に長時間並ぶはめになるので注意が必要だ。
春秋の日曜祝日程度の混雑の時がベストなのかもしれない。
●近郊に住んでいるファミリー
近くに住んでいるため何度も訪れることは可能だが、子供の学校の都合で平日に行くことが難しいのがこのタイプである。
また、アトラクションにしろ、ショーにしろ、子供を優先しなければならない。この場合は、子供の年齢によって狙い方が異なるだろう。
1.赤ちゃん〜入学前
「子供を優先する」といっても、この場合は他と少し状況が異なる。この年齢の子供は本能的なものを除いては、特に自分の好みを主張することは無い。
もちろん、来園すれば、子供も通り掛かりのキャラクターや、園内の音楽などに色々反応はするだろうが、それは結果としてそうなるだけに過ぎない。
どちらかといえば、親の方が育児の気分転換に訪れるパターンになるだろう。
また、学校とは無関係なため、ある程度は親の都合で行動できる。来園日を決めるのも親の側だ。
なので、先にあげた「独身/カップル」のシチュエーションを基本にし、加えて授乳室や乳母車のレンタルサービスなどを事前調査するのが良い(当然、これらのサービスは備わっているが、混雑状況によっては利用できないこともある)。
もし、親の希望が「アトラクション」でもTDRなら問題はない。幸いなことに、アトラクションによって「チャイルドスイッチ」なるシステムがあり、両親が一緒に乗ることはできないまでも、交互に子守りとアトラクション利用ができるので、是非活用されたい。
2.小学生低学年
一番大変な頃だろう。なにしろ目の前のもの全てに興味を示し、親がちょっとでも目を離したらその隙にどこかに行ってしまう事もある。そして、学校というものがある関係で、どうしても来園で切る日は休日に限られてしまう。
混雑の中で迷子になってしまう可能性を無視するわけにはいかない。まず何よりも最初にするべきなのは、「迷子センター」の確認である。
また、舞浜駅や駐車場に来た時点から大混雑に巻き込まれる事も予想して、その時点から手製の迷子札(親の携帯電話番号を書いておくと便利)をしっかりと子供につけさせるのも良いだろう。
さて、この年齢の子供を連れて来園する場合、食事の確保が必須だ。親もかなり疲労するので、「プライオリティーシーティング」対応のレストランを予め予 約しておくのが有効だ。もちろん子供の都合で急遽帰宅しなければならないなどで、予約をキャンセルせざるを得ないことも予想できるが、TDRのプライオリ ティーシーティングにはキャンセル料がかからないので安心だ。
迷子対策、食事対策を取ったら、いざ園内へ。基本的にはアトラクションよりキャラクターに興味を持つ子供が多いと思うため、キャラクターの出演するイベ ントや、ショー、グリーティングを中心に回るのが良いだろう。これらはよほどの大混雑時でもない限りは、長時間待たされる事は少ない。
ただし、男の子を中心にこの年齢からアトラクションに興味を持つ子供もいる。身長制限などで利用できないものが多い上に、利用できても混雑時は長時間の待ち行列に並んでいるうちに子供が飽きてしまいがちだ。
すぐにまた来れる地域に住んでいるのだから、無理して長時間待つより「また今度」ということにするのが良いのではないだろうか。一旦アトラクションを離れて他を回ればきっと別のものに興味が移ってくれるだろう。
それでも駄々をこねるようなら…うーん、我慢強い子を育てるためと割り切ってみては?
3.小学生高学年〜中学生
この年代も学校の都合で休日以外に来園するのは困難だ。また、時々見受けられるのだが、「(授業参観や運動会などで)学校が振替休日となったから、空い ていると思って行ったのだが土日と変わらない混雑だった」という現象がある。どの学校も振替休日は同じ時期に実施し、さらにそのような日は決まって皆「空
いていると思って」訪れるので、時期によっては日曜より混雑してしまうこともある。振替休日を利用した来園はあまりお勧めできない。
さて、来園してからだが、このころの年齢になってくると、子供たちが自ら行きたい所に行くことになる。しかも、若さゆえ、1〜2時間程度の待ち時間は苦とも思わない。この場合、無理に子供といっしょに行動すると必要以上に疲れてしまう。
効率的なのは、TDRの場合は入園する前にまずファストパス対象のアトラクションを1つ決め、子供をその列に向かわせる(チケットを人数分渡しておくことを忘れずに)。そしてその間に昼・夜のレストランの予約をする。
その後、あらかじめ決めた待ち合わせの場所で合流し、アトラクション予約の時間が近ければその場所へ。そうでなければ予約時間にアトラクションで待ち合わせることにして自由行動にする。
以後は、子供の希望するアトラクションを聞き、自分も利用したいと思うものだけ同行、それ以外は子供だけで利用させ、自分は待ち時間の少ないアトラクションやのんびりできるカフェなどで休息するのが良い。
普段、携帯電話を子供に持たせていない家庭でも、このときばかりは常備し、アトラクションに乗り終わるたびに連絡させるようにするのも効果的だ。ただし、アトラクション内や一部エリアで電話が圏外になってしまうことがあるので要注意。
どうしても、子供と一緒に回りたいという場合もあまり無理せず、夕方以降は子供と別行動にし、座れるところでゆっくりするのがお勧めだ。もし夫婦一緒なら、夕方以降は夫婦の時間にするのも普段とは違った会話で盛り上がれるに違いない。
4.高校生以上
この年齢になると、もはや両親と子供が一緒に行動するのは難しい。最初から子供だけで来園することの方が多いだろう。もし一緒に行く場合でも、ショーやあらかじめ予約した夕食などの時に合流するくらいにして、あとは自由行動にしたほうが良い。
そして、食事時や帰宅時に互いが見た面白かったことをそれぞれ話し合えば、家庭内コミュニケーションも広がるのではないだろうか。
●遠方から来園するカップル
よく「TDLに来たカップルは別れる」というジンクスを聞く。TDLに限らず混雑している大型パークに来るカップルはその危険性を常にはらんでいると言 える。何の準備もせずに来て2時間、3時間と待たされていたら、どんなに気長な人でも苛立ってくるのは当然だ。そんな時に些細なことでも口論になったりす れば、すぐにエスカレートして破局…となる。
このシチュエーションのカップルは、恐らく空いている日程を選んで来園するのは困難だろう。運良く空いている時期に来園で来たのなら、特に攻略法は必要 無い。若さにまかせて好きなだけ回るのが良いだろう。もちろん公式ガイドや情報誌に載っている程度の事前情報は必要だが。
少しでも混雑していることが予想できるのであれば、時間つぶしのためのアイテムを用意しておくのが必須だ。基本情報で上げたガイドブックや、TDRなら ディズニー関連、USJならハリウッド映画関係の本などを用意するのも雰囲気に合っていて良いかもしれない。ただし、だからといって2人とも黙々と本など を読んでいるのも味気ない。
大型パークの場合、行列の途中にも様々な造形が施されているので、その場所を通る度に「これは何だろう」などと話題を振り、無い時だけは持ってきた本などで時間つぶしをするのが良いだろう。
また、来園したらまず最初にレストランの予約をお薦めする。それも折角なのだから、ライトアップされた園内を眺めつつ、優雅に食事ができる店が良い (USJなら「ロンバーズ・ランディング」、TDSならホテルミラコスタ内の「ベッラヴィスタ・ラウンジ」など)。多少は値段が張るが、カップルの親密さ を高めたいのであれば、ここに一番お金を費やすのがベストだろう。
予約してしまえば、たとえ昼間に混雑に巻き込まれ多少の口論が始まったとしても、最後に優雅な食事があることをうまく利用して仲直りできるかもしれない(願わくば、その口論が一気にエスカレートして夜まで我慢できないようにならないことを祈る)。
●遠方から来園するファミリー
もし、まだこれから計画を立てるという段階であるならば、これだけは外してはならないというものがある。それは「ホテルの手配」である。当たり前の事と思われがちだが、当日に後悔しないためにはかなり重要だ。
大規模テーマパークにはオフィシャルホテルが併設されている。パークに隣接していたり、場合によってはパークの中にあることもある。ホテルで休んでいる 時でもパークの雰囲気を味わえるが、概ね宿泊費用は通常のホテルより高い。そのため宿泊費を安く上げようと他の一般ホテルを選ぶというのはよくあること
だ。だが、ここで予算をケチるか、ケチらないかが当日後悔するかしないかの大きな分岐点になることが多い。
これらのパークは敷地面積が広い分、園内での歩行距離はかなりなものになる。実際に遊んでいる時はテンションが上がっているため、疲労も忘れているだろ う。その疲労は「さあ園外に出ようか」と思ったときに一気に出てくる。しかもそのような時には手にはお土産を山ほど持っているだろう。
こんな時、オフィシャルホテルの宿泊者は、ほんの数分歩いたり専用の送迎バスなどを用いて楽にホテルにたどり着ける(ホテルによってはお土産も運んでく れる)。しかしそうでないホテルの場合は、退園者で混み合う駅で電車を待ち、何十分もかけてホテルに移動しなければならない。荷物が多いなら、高い料金を 払ってタクシーに乗ることになるかもしれない。
宿泊費をケチったがために、こんな苦労や余計な出費をしなければならないのだ。それでは意味が無い。是非ともオフィシャルホテルに宿泊するべきだろう。もし、どうしても一般ホテルになる場合は、送迎サービスなどを実施しているホテルを選ぶべきだ。
ちなみにオフィシャルホテルによっては、他にもメリットがある。例えば、通常の開園時間よりも前に園内を散策できたり、レストランやアトラクションの先 行予約ができたり、園内に入らなくても一部のショーを観覧できるなど。また、パークから近いことを利用して、混雑期などに「ちょっと疲れたな」と思った
ら、一時退園してホテルで一休みし、元気がでたらまたパークに行くということも可能だ。特にHTBの園内ホテルやTDS隣接のホテルミラコスタは、パーク からそのままホテルに出入りができるため非常に使い勝手が良い。
USJやHTB、そしてTDRでも直営2ホテルを除けば、予約の混雑度は通常の観光地ホテル並みと考えても良い。たとえ直接の予約センターで満室と言われても旅行会社がキープしている分や、キャンセル待ちがあったりするので、問い合わせてみることをお薦めする。
なおTDRの直営2ホテルは例外で閑散期でも土日は予約が取れない上に、キャンセル待ちも殆ど無いことで有名だ。また、旅行会社確保分も多少はあるが、 ノーマルクラスの部屋のみだったり宿泊者特典の一部が受けられないため、より優雅にリゾートライフを楽しむためにはやはり予約開始日に根気良く電話をし続
けるしかない。しかしこの2ホテルはお金と手間をかければかけるだけ優雅に楽しめる。スイートルームクラスに宿泊できたら、スイート宿泊者限定のラウンジ でカクテルやジュース(無料!)を片手にTDSのショーを観るなんてことも可能になるのだ。遠方に住んでいて一生に数回しか来れないのだから、どうせなら 思いっきりお金をかけてリゾートを楽しむべきだろう。
残念ながら既にスケジュールやホテル等が決まってしまっているのであれば、先の「近郊に住んでいるファミリー」を準用して欲しい。その場合、問題となる であろう2番の「また今度」という方法も、数年〜十数後という長いスパンで見れば、説得方法として不可能ではない。その頃にはきっと、子供達は自分の意思 でパークに来園するようになっているはずだから。
●修学旅行、研修旅行、ツアーなどで日程が決まっている場合
まず、その日程がどのくらいの混雑時期なのか、また入園時間が何時なのかをしっかりチェックすることが必要だ。たとえこのシチュエーションであっても平 日であったり休日でも閑散期であれば、アトラクションにしろ、レストランにしろ、多少の待ち時間を我慢すればそれなりに楽しむことが可能だ。
問題は不幸にも混雑日になってしまった時だ。この場合は入園時間によって多少狙い方が変わってくる。
・開園時間前から
混雑の程度にも寄るが、通常の土日で開園30分前、繁忙期では1〜2時間前には最低でもゲートに到着している必要がある。
ここで注意しておく必要があるのは、ゲートに並ぶ時点で「そのままゲートを通れる」チケットを予め確保しておくことだ。当日現地で購入しようとするのは 論外として、注意しなければならないのは旅行会社から渡されたチケットなどの場合、前売券でもゲートを通れないということだ。
ゲートは自動改札になっているため、パーク指定の発売所以外で発券されたチケットは事前に窓口でチケットを交換しなければならない。この窓口が開くのは 開園時間の30〜1時間前で、さらに窓口への行列も発生する。最悪の場合、開園の1時間以上前にゲートについたのにチケットを交換した時には既に開園時間
を過ぎていたということも有り得る。そこまで酷くなくても、ゲートへ並ぶことが出来るのはチケットを入手した後になるため、予めゲートを通れるチケットを 持っている人とかなりの差ができてしまう(ゲートをそのまま通れるチケットについては、各パークのWEBや攻略本を参考のこと)。
ちなみに、ゲートをそのまま通れるチケットであれば、そのチケットが日付指定が否かはあまり関係が無い。混雑して入場制限となった場合は、日付指定券で なければ入園できなくなるのは確かだが、開園時間より前に入場規制となることは皆無だ。もしなったとしても、その時点で並んでいる人は入園できる。
無事に入園できたら、最初はとにかく「予約」である。複数の仲間と行くのであれば、昼・夜のレストランと、アトラクション1つの予約を分担して行なうのが良い。
予約が完了したら、あとは混雑との戦いになる。こればかりはどうしようもない。しかし、レストランの予約と、最低1つのアトラクションの予約が終わっているだけで、最終的な疲労度はかなり軽減されるはずだ。
確実に予約を完了させるためにも、開園前と開園直後に頑張ることが秘訣となる。
・昼頃
ツアーなどの場合、昼頃からの入園となることも少なくない。この場合、園内は既に大混雑となっているだろう。もしかすると、入場制限となっているかもしれない(ツアーなら日付指定のチケットなので入場規制中でも入れないということはないはずだ)。
さて、入園するとアトラクションは概ね1〜2時間待ちになっているだろう。レストランも予約は一杯の可能性が高い。ところが、この時間でもファストパス やエキスプレスパスはまだ配付していることがある。これらのパスは1人が1度には1枚しか発券できず、また1度発券するとその予約時間まで次のパスを発券 できないようになっているため、午後の早い時間までは当日分の配付が終了しないのである。
この時間の発券だと利用できる時間は夜だったりするので、自身のスケジュールを考えながら入手しよう(発券所に、現在何時分の発券を行なっているか表示されるので要確認)。
その後はのんびりとパークを巡りつつ、無理せずに遊ばれたい。
・午後
この時間からの入園の場合、アトラクションは最初から諦めた方が良いかもしれない。レストランについても園内ではなく、TDRならイクスピアリ、USJ ならシティウォークなど、パーク付随のショッピングセンターを利用した方が良い。園外ではあるが、パークとセットに設計しているため、パークの雰囲気は維 持できるだろう。
どうしてもパーク内で楽しみたいというのであれば、座席定員制の「ステージショー」を中心に楽しむことをお薦めする。とくに劇場型のショーステージなら 30分〜1時間前まで(1時間位前から待ち行列をチェックしておくのも良い)に並べば、ほぼ座席は確保できる。ショー自身は15〜30分と長いので充分楽 しめるだろう。
そして、もし当日閉園時間まで滞在できるのであれば、最後にアトラクションを楽しむチャンスがある。
実は閉園時間間際になると空いてくるアトラクションがあるのだ。主にライド型のアトラクションがそれだ。
閉園時間が近づくと朝から遊んでいる客が帰り始め、またレストランやお土産屋さんのほうに意識が向いているので、アトラクションの利用率は下がる。
その場合、シアター系のアトラクションは上演の回数を減らして対応する。しかし、ライド型の場合は、そのまま混雑時のペースでライドを運行することが多 い。こんな場合は、昼に1〜2時間待ちだったアトラクションでも30分待ち以下に緩和されることがある。場合によっては10分以下のこともある。これを逃 してはならない。
[おまけ]
大混雑時でも、待ち時間を極限まで減らし充分にアトラクションを楽しむ方法(USJ限定)
かつてUSJにはTDR同様、アトラクションを事前予約する制度があった。しかしこの制度は2004年9月で終了してしまった。
ところが、まだUSJには「エキスプレスパスブックレット」というものが存在する。
これは、特定のアトラクションの「エキスプレスパス」を、事前に販売するというものだ(2004年初夏の時点では7アトラクション/4アトラクション/3アトラクションの3種類発売。時期により販売するものや価格が異なる)。
これを買っておけば、どんなに混雑していても最優先でアトラクションを回ることができる。しかも、このブックレット対応アトラクションの中には通常のエキスプレスパスを発行していないアトラクションもある。まさに「時間を金で買える」のだ。
ただし、ブックレットの1日の販売数には限りがあるので要注意。
[中堅パーク・大規模遊園地編]
志摩スペイン村や日光江戸村などの地方都市テーマパーク、富士急ハイランドや、ナガシマスパーランドなど規模の大きめな遊園地がこれに該当する。
これらのパークは、いわゆる大商圏から若干離れたところにあり、近隣の観光地との相互関係で入場客を集めている。そのため、大商圏の住民は、鉄道や車を利用してパークに訪れ、近くのホテルなどに宿泊することが多くなる。
また、混雑度でいえば、「全く楽しめない」ほどの混雑になることはまず滅多にない。あるとすれば、大晦日のカウントダウンなど特別なイベントがあるとき と、お盆期間中ぐらいだ。もちろん付近の観光地が混雑するような時期は、これらのパークも混雑する。こういった特定の混雑日を避ければ、「行って後悔す る」なんてことはまず無いだろう。
ただし、逆に混雑時に遭遇してしまった場合、これらのパークは最悪の時を迎えかねない。なぜなら、混雑時の対応が大型テーマパークほどしっかりしていないからだ。
「混雑時でもちゃんと対応出来るようにしろ」と思う気持ちも最もだが、娯楽業界不況の昨今、年に数日しかないような混雑日を基準に運営を設定すると、閑散期に大きな赤字がでてしまうだけに、仕方が無いと言わざるを得ない。
それでも、混雑日に楽しみたいというのであれば、午前中が大切だ。混雑のピークは昼過ぎからなので、開園と同時に混雑するアトラクションに行き、ある程 度回ったら退園してしまう。これが一番楽な方法だ。もちろんこのためには、開園前にパークに到着している必要がある(といっても、TDRのように1時間も
前から来ている必要は無い。15分前位で充分だ)。午後は道路の渋滞や電車の混雑を避けて早めに帰宅するか、(宿泊なら)近隣の観光地を巡るのも良いだろ う。
朝が辛いのであれば、前日から近隣のホテルに宿泊しておくのをお薦めする。その際、どうせホテルに泊まるのなら、パークの直営ホテルを選択するのも良い 方法だ。ほとんどの直営ホテルでは、入園料やアトラクション利用がセットになった宿泊プランを用意している。さらには南紀白浜アドベンチャーワールドの公
式ホテル「ホテル千畳」などのように、パーク開園前の特別なツアーを用意しているホテルや、一般入場者よりも先行して入園できる特典を用意しているホテル もある。
これらの特典・公式ホテルについては、そのパークのwebページを良く読めばリンクされていたり、「お得な情報」として掲載されているので、計画を立てる段階で是非チェックするべきだ。
また、雑誌などで情報を収集しようと言う場合は「関西ウォーカー」などの地方版がある情報雑誌(週刊または月刊)をチェックするのも良い。ある程度大き な規模のイベント情報であれば掲載されているはずだ。なお、稀に「公式ガイドブック」などが発行されていたり、年刊規模の情報誌、書籍などに情報が載って
いることもあるが、この場合購入前にその本の発行日を確認しよう。また、新しく発行された書籍であっても、まれに情報が古すぎて役に立たない事があるので 注意が必要だ。
[小規模遊園地編]
小規模遊園地の場合、普通は混雑していることが原因で楽しめないということは無い。もちろん何らかのイベント等で、遊園地のキャパシティを超えてしまっ た場合も考えられるが、この手の遊園地でそのような混雑になるのは年に1日あるかないかだ。混雑の理由も「芸能人が来るから」とか「TVで紹介された直後
だから」など、わかりやすい。もし公式のwebページがあるなら、そこに記載されているだろう(ただし、あまりにも小さいパークだと、更新してなかった り、そもそもwebページが無かったりするが…)。
逆にこの手のパークで楽しめない原因になるのは「閑散としすぎている」ことが多い。ほとんど誰もいないパークでアトラクションも貸し切り状態というのは、実はあまり楽しめない(もちろん、そこに楽しみ方を見出しているマニアは別だが)。
考えてもみよう、客よりも従業員の方が多く、常に従業員が自分たちを待っている。場合によってはアトラクションに誰も従業員がおらず、自分たちがアトラクションに向うと従業員が事務所から出てきて運転する。そんなパークで普通の人が楽しめるだろうか?
やはり、ある程度は他の客がいるときに行くのがベストだ。と、なるとこの手のパークは土日や学校休業日に行くことになるだろう。
もし、平日に行くのであれば公式webページか、ない場合は、パークに直接電話をして「営業日」だけは最低限チェックしておこう。運営コストの削減で平 日ほとんど営業していないパークも結構多い。お金と時間をかけて行ってみたらお休みだった…というのは、あまりにも悲惨だ。
[一般フードパーク編]
一言で「フードパーク」といっても、テーマ性のあるものから、ただ単に同じジャンルのお店を集めただけのフードコンプレックス型まで色々な種類がある。 この手のパークで「後悔する」一番の理由となるのは、「並ぶ時間」と「価格」が、「味」の満足さに相当しないことだ。どんなに美味しいものでも、値段が高 く、さらに長時間並ばないと食べられないとなれば不満が起きるのは当然だろう。
「時間」「価格」「味」のうち、「価格」と「味」については出店店舗自身の努力にかかっているため、客の側から何らかの対策をするのは難しい。
残るは「時間」である。これについては、そのパークが「イートイン」が中心なのか、「テイクアウト」が中心なのかで対応方法が異なる。
●イートイン型
新横浜ラーメン博物館や、レストランフロア改装型パークに代表されるのがこのタイプ。このタイプの場合、1度に何軒も梯子するというのは難しい。パークによってはハーフサイズのメニューを用意しているとはいえ、よほどの大食いでもない限り2〜3軒回るのが限界だろう。
しかも混雑時には1店舗あたり30分〜2時間待ちという状況になる。こんな状態では1店舗で食事するのが精一杯だ。
ラーメン博物館など、施設内の環境設定にもこだわりのあるパークならば、食事ができなくてもその環境を楽しむ事ができる。また、こういったこだわりのあるパークならば、正規の飲食店舗以外のも屋台型の店舗や、駄菓子屋などの物販施設もしっかりしているのでお薦めできる。
しかし、レストランフロア改装型などの場合、パークの環境演出にそれほど力を入れていないことが多い。この場合は混雑時はパークに行くことを諦めるか、1店舗に的を絞って長蛇の列に並ぶしかない。
ところで、長蛇の列に並ばざるを得ない状況になったとき、その店の選定にはちょっと注意した方が良いことがある。そのお店の「限定」度合いである。つまり、貴方が並んでいるこの店舗の食事は本当にここでしか食べられないものなのか?と、いうことだ。
たとえば、関東にあるパークで、2時間待ちのお店があったとする。この店に並ぶ前に、ちょっと考えてみよう。もしこの店が同じ関東に店を出しているのな ら、わざわざ今ここで食べる必要はない。実際、横浜にあるパークで、本店が東京や神奈川県内にあるお店が2時間以上の待ち時間になっていたことを何度も目
撃している。2時間もあれば本店まで行けるはずだ。そして実際本店では30分以内の待ち時間であった。こんな無駄をするのはお勧めしない。
どうせ長時間も待つのなら、より遠い所に本店のある(しかも、チェーン展開していない)お店を選ぼう。
●テイクアウト型
まだそれほど数は多くないが、自由が丘スウィーツフォレストや、なにわ食いしんぼ横丁などテイクアウトのお店が中心となっているのがこのタイプ。
このタイプのパークはテイクアウト型と言いつつも、その実際はパーク内で食べる事を前提としている所がほとんどだ。そのため、混雑時には、お店に並ぶ事よりも、空いている座席を探すことが重要になってくる。
概ねテイクアウト型を基本としているパークは、施設面積が狭いところが多い。イートイン型の店舗は場所を取るので、多数のお店を入れるためにテイクアウト方にせざるを得ないこともある。そのため、混雑時のパーク内人口密度は凄まじい事になりがちだ。
折角美味しい食べ物を購入したのに、食べる場所が見つからず右往左往しているうちに、出来立てを食べられなくなってしまってはがっかりすることも多いにあり得る。
そこで、混雑時に行く時には1人で行くよりグループをお薦めする。パークに入ったら1人が座席確保を担当し、残りの人は手分けして色々なお店に並ぶのだ。こうすることで、色んなお店を食べ比べできる。この食べ方はイートイン型のパークでは不可能だ。
また、他の方法としてはパーク内で食べる事は最初から諦めて、買いこめるだけ買いこんで、あとは家に帰ってゆっくり食べるというのもある。ただし、食べ 物によっては自宅までの持ちかえりができないものもあるので、予めお店の人に聞いておこう(持ちかえれる商品なら、ちゃんとパッケージしてくれるので持ち かえりも楽だ)。
ちなみに、私個人の感想から言えば、混雑時はテイクアウト型、閑散時はイートイン型をお薦めする。なぜなら、閑散時のテイクアウト型店舗では客が少ない ため稀に作り置きを提供されてしまう事がある。また、そうでない場合は、注文してから作り始めるため店頭でかなり待たされる事になるからだ。
逆に混雑時のイートイン型店舗は、殺到する注文を捌くうちにスタッフが疲労し、稀に作り方が乱雑になってしまう事があるのだ。また、食べる方も背後に並 ぶ多数の客の視線からか、じっくりと味わって食べにくい。閑散時なら気軽に追加注文もできるだろうが、混雑時はそれも難しいだろう。
●併用型
横濱カレーミュージアムなどのように、イートイン型とテイクアウト型の店舗がほぼ半々の場合は、来園する目的によって、どちらかの形式とみなして利用すると良い。
しっかり食事を取りたい場合は、イートイン型。パークを楽しみながら食べ歩きたいならテイクアウト型とみなして利用するのが良いだろう。
もちろん、目的のお店が決まっているのであれば、そのお店がパーク内でどちらの形式で出店しているかで決めよう。
[ナンジャタウン編]
さて、最後に紹介するのは東京・池袋のナムコ・ナンジャタウン。これだけは、他のテーマパークと別に扱わなければ、うまく楽しみ方を書くことが出来ない。
というのも、ナンジャタウンは元々オープン時には「最大のビルイン型テーマパーク」を謳っているように、屋内型ではあるものの、中規模・小規模テーマパークに準拠できるテーマパークであった。
しかし、他のテーマパークがそうであったように、オープンしてから年月が経つと、施設の陳腐化による来場者減少が目に見えるようになった。そこで、ナン ジャタウンは2002年の夏にある秘策を打ち出した。「池袋餃子スタジアム」を皮切に、「アイスクリームシティ」(2003年夏)、「東京シュークリーム
畑」(2004年夏)、そして期間限定の「デザート博覧会」という、「テーマパーク内にフードテーマパークをオープンしてしまおう」というものである。
これにより、ナンジャタウンは他に類を見ない、アトラクションとフードテーマパーク(しかも複数)が混在したパークになっているのである。
これから遊びに行こうと考えるならば、フードとアトラクションのどちらをメインに置くか、そしてフードメインならどのフードをメインにするかで遊び方が変わってくる。
●アトラクションをメインにする
このタイプの場合は、混雑期でもアトラクションの待ち時間で苦労するということはまず無いだろう。現在のナンジャタウンはフードパーク目当ての客が多い が、彼らは入園券だけを購入して入園しているため、アトラクションには別料金がかかる。そのため、パーク内にいる人の数ほどはアトラクションを利用しな い。もっとも混雑したとしても30分程度だろう。
ただし、混雑時のアトラクション利用に注意しなければならない点がある。「蚊取り大作戦」などのアトラクションは、専用の施設内で完結するため心配無い が、ナンジャタウンの半数以上を占める「街めぐり型アトラクション」(受付で、専用アイテムをレンタルしたり、入園に使用した磁気チケットに専用データを
書き込んだ後、園内にあるチェックポイントを巡って楽しむアトラクション)の場合は、フード目当てで混雑している他のお客さんをかき分けながら歩き回るこ とになるということだ。
1つのアトラクションを周るのに、通常なら10分程度で済むものが混雑時には倍近い時間がかかることもある。さらに利用者が多い時は各チェックポイントごとに待ち時間が発生する場合があるので要注意。
また、お盆やGWなどの超混雑期は、パークそのものに入場規制がかかることがある。この場合はアトラクションの利用だけであっても入園することが出来ない。
フードパークの混雑に巻き込まれるという点だけ注意すれば、アトラクション目当ての利用ならば混雑時でもそれほどの不満は起こらないだろう。
逆に閑散期の注意点も1つある。「街巡り型アトラクション」の一部に、利用者同士のデータ交換が必要なアトラクションがあるが、これは沢山の人とデータ 交換することが重要なため、他に利用者が居ない時は面白さが半減する。これらのアトラクションはある程度混雑した時の利用をおすすめする。
●フードパークをメインにする
ナンジャタウンのフードパークエリアは、基本的にはテイクアウト対応となっている。そのため、先に述べた、テイクアウト型フードテーマパークの利用方法を参照すると良い。
ただし、ナンジャタウンならではの利用の仕方がいくつかある。
一つは餃子スタジアム内にいくつかある「イートイン・テイクアウト併用店舗」の有効活用だ。イートインでの利用の場合は、原則としてその店の商品しか食 べることができない。逆にいえば、来客者の中心を占める「色んなお店を食べ比べたい」という来客者は、イートインを利用しない。そのため、混雑時でも実は
それほど待たずに店内に入れることが多いのだ。また、お店によってはイートインでなければ注文できないメニューもあるので、いままでテイクアウトしか利用 したことが無かった人も1度は是非利用することをお薦めする。
もう一つは、園内の3フードパーク+1会場の混雑タイミングが多少ずれていることを利用することだ。「餃子スタジアム」はどちらかといえば、食事に近い ため昼・夕食時間帯に混雑しやすい。また、「アイスクリームシティ」や「東京シュークリーム畑」は、おやつ時間帯に混雑する。また、デザート系はファミ
リーが多いため、あまり遅い時間までは滞在しない。つまり、おやつ時には「餃子スタジアム」を中心に回り、食事時に「アイスクリームシティ」や「東京 シュークリーム畑」を回ると、比較的楽に回ることができる。
また、ほとんどの利用者は、購入したエリアの飲食場所で購入した商品を食べることを逆手に取り、食事時に餃子をテイクアウト購入して、そのままマカロニ広場まで運んで食べるという手もある。
さらに、フードパークエリアが混雑している時でも、アトラクションには余裕があるので、時々アトラクションを利用するのも良いだろう。
●フードパーク(おみやげ)を買いこみたい
この場合は、朝1番か閉園間際の入園をお薦めする。
特に、数量限定の商品を狙っているのであれば開園直後は必須である。実際、デザート博覧会で「プリン博覧会」が開催されていたとき、とあるメーカーの商 品がファンの間で大人気で、入荷するとファンが1度に数十個単位で買い込み、その日の午前中のうちに品切れになってしまうと言う現象が発生した。
もちろんここまでの事態は最近は沈静化しているが、例えば東京シュークリーム畑・「蜂の家」の軍艦シューなどは1日3個しか販売されない。こういったレア商品は開園直後に買うことが必須だ。
レア商品には特に興味が無く、色んな商品を買って帰りたいというのであれば、閉園前が便利だ。ナンジャタウンは21時に最終入園となるのが、その時間に なると来園者数はかなり減少する(お盆やGWなどの特別混雑する日は除きます)。19時〜20時頃までは物販店舗もかなり混雑しているが、20時半を過ぎ
た頃からかなり空いてくる。この時間ならばじっくりと商品を選んで買うことが可能だ。また、商品によっては、賞味期限が本日限りのものについて、この時間 から半額セールを行なうこともある。当日中に食べる分については、セール品を購入するとリーズナブルだ。
[あとがき]
いかがだったでしょうか?基本的には私が実際に各パークに行って、この目で見てきたものなのでほぼ間違いはないと思います。ただ、中規模・小規模パークは数も多いため、それぞれのパークごとに異なる状況になっている可能性もあります。
また、この原稿を書いた2004年の春〜夏の時点から、日が経つごとに状況も変化しているでしょう。特にこの手の業界は景気に大きく影響されるので、ま たバブル経済がはじまったら、どのパークも大規模施設拡充などで混雑状況が変わります。逆に今よりもっと不況になったら…いつ行ってもガラガラなパークが
増えてしまうことでしょう(そして、閉園してしまう)。ぜひ不況のときこそガラガラなパークに行って、少しでもお金を落として行きましょう(笑)。
さて、今回のまとめとして、私の意見を言わせてもらうなら、「混んでる時は本気で楽しめないし疲れるだけなので、空いている時に行きましょう」の一言で済んでしまいます。ただ、それだけでは仕方が無いので今回の原稿になりました。
ちょっと時間に追われてしまったのと、書いてみるとあまりネタが無いという状況から、後半が尻すぼまりになってしまいました。大手パークに通用する方法は、中規模以下のパークでも大部分は通用するかと思いますので、それで何とか許してください(笑)
それでは、皆様が混雑したパークに翻弄されませんようお祈りしています。いってらっしゃい。